7度目のシンガポール(サゴ・レーン)
先ほど少し書いた『サゴ・レーン(Sago Lane)』のことを少し書いておきましょう。
サウス・ブリッジ・ロードからサゴ・レーンの入口にこのような案内板が立っています。(このような案内板自体はシンガポールのあちこちにあるので決して珍しいものではありませんが)
“Street of The Death”“死人街”と書いてあります。
死の家とは、文字通り貧しい者が死を迎えるための場所であり、かつてはサゴ・レーンの両側に並んでいました。
シンガポールの中華系移民の多くは貧しく、狭い住居に大人数で暮らしていました。
そこでは生活するのに十分なスペースさえなく、一人静かに死ぬ場所など到底ありませんでした。
それに加え、「家中に死人が出ると家中に不幸をもたらす」という迷信が信じられており、死の家が出現することになりました。
死の家には医療設備が最小限しかなく、治療や回復を目的としてくる人はいませんでした。
部屋は横になり休める程度の広さしかありませんでしたが、葬儀場が併設されており墓所だけは約束してもらえました。
遺体は中国式の棺桶に安置され、周りには供物としてお金、車、家などこの世の贅沢品を形どった色鮮やかな紙細工が並べられました。
そして、これらの紙細工は故人の遺物と共に燃やされます。
この儀式は、死後の世界で富と安らぎが故人を待ち受けていることを象徴しています。
気味悪がられながらも、死の家はチャイナタウンの世界において極めて重要な役割を担っていました。
1961年には非合法となり、葬儀備品一式を取り扱う店がとって代わりました。
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